書道作品一点を仕上げるまでの練習方法

臨書部の昇段試験臨書,練習方法

毎月作品を一点仕上げるまでの練習の流れをまとめてみました。
だいたいこんな感じです。(もちろん、個人差があります)

作品を初めて書く~仕上げるまでの練習の流れ

書道

①お手本と解説を見る

お手本と、隣のページに書いてある解説に目を通します。
とにかく、特徴を捉えないことには臨書になりません。(臨書でなくても、押さえるべきポイントは確実に押さえる)

大概書いてあることと言えば、「大きさを調整しましょう・体裁よくまとめましょう」「(王羲之の場合は)懐を広く取りましょう」「この点画を太く(細く)書きましょう」など。

解説DVDがあれば、筆の動きを見ておきます。どこで緩急をつければ良いか、筆遣い(逆筆など)はどうなっているかなどの参考になります。

②実際に書いてみて、添削【点画をマスター】

ポイントを押さえたうえで、とりあえず書いて、先生に添削していただきます。
大概は、解説に無い細やかな部分を添削されます。同じ書道家の色んな作品を臨書しているうちに、同じようなことを添削されるので、そこでその書道家の特徴が分かってくるようになります。

この段階では、それぞれの文字の書き方をマスターします。(全体をまとめるのは後)
筆をこのあたりで加筆させる、ここは逆筆で入る、この部分の間の取り方は…など、一つひとつ吸収していくことで、同じ書道家の他の作品を臨書するときに、「この部分はこう書けばいい」、とパターン化できるようになります。と同時に、お手本の見方も180度変わります。「確かにここは逆筆になっているな」「この部分の太さはこのくらい」といった情報が、初見で分かるようになってきます。(初見で分かるようになるまでには、だいぶ時間がかかります…)

個人的な見解ですが、資格勉強などの場合、簿記や漢検などは独学で勉強できる(実際に、筆者も独学で取得できた)のですが、習字や楽器などの技術的なものは先生の添削が絶対に必要だと思っています。テキストや解説DVDでも勉強はできますが、テキストやDVDが解説できることには限度があります。技術を習得していくうえで、どうしても自分の癖が出てくるものです。その癖を見抜いてくれる第三者の目は、技術の向上には必要だと思います。

③もっと書いて、添削【全体のまとめ方をマスター】

何度も書いているうちに、初見では見よう見真似だった筆遣いもだいぶ慣れてきて、筆に迷いなく、細かいポイントを(ある程度)押さえて書けるようになります。
が、臨書部では無罫半紙に書かなければならないので、大きさや配置にも留意してまとめなければなりません。
(実際に、臨書部の添削ポイントの3分の1が「配置」)

…プレバトで言うと、点画が良くても、配置をミスると「凡人」査定されるようなものです。

無罫半紙なので、マス目はありません。が、半紙の端を少しだけ折って目印を付けるのはOKです。(しっかりマス目を付けてしまうと、マスにとらわれて大きさの変化を付けられなくなるので、折るのはあくまで端だけ)
お手本にも中心の目印は打ってあるので、「この字のこの点画が中心より少し上に来る」というある程度の目印を見つけて、そこに収まるように書けばいいと思います。

また、手本の中心線だけでなく、隣(上)の文字のこの点画の位置から書き始めよう、といった目印の決め方もありだと思います。

④評価を受けて、できているところ、できていないところをチェック

日本習字の臨書部の場合、「配置」「字形」「線質」の3項目をA~Dの4段階で評価されます。これを見て、次回どこに留意して書けばよいかの参考にすれば良いと思います。

ここまで執筆してみて、言うことが塾とか予備校と変わらないなぁと思いました。